A社の社長から最初に届いた相談は、「市場全体が縮んでいる中、どう動くべきか分からない」というものでした。前年同期比で市場は −13%。価格競争は激しく、広告費を増やしても利益は減るばかり。社内では「打ち手が尽きた」という空気が出ていたそうです。
私たちが最初にやったのは、施策の検討ではなく、競合の棚をすべて測ることでした。対象カテゴリの全ASIN・15社以上の競合ブランドを、価格帯と訴求軸でマッピング。すると、「低価格帯で消耗戦をしている層」と、「上位帯でブランド価値を売っている層」が明確に分かれていました。
値下げではなく、価格を むしろ上げる 余地のある商品が3点ありました。同時に、「安さ」訴求を続けていた商品ページを、「部屋の印象を変えるインテリア商材」という訴求に書き直しました。デザイン性・簡単施工・賃貸対応の3軸で、購入の妨げになっていた不安9項目を一つひとつ潰しました。
結果として、市場が −13% で縮むなか、A社は前年比 +6.4%。市場との差は約20ptの改善になりました。社長の感想は、「値下げしなかったのが、いちばん意外だった」とのことでした。
この事例の本質は、+6.4% という数字そのものではありません。見るべき場所を変えただけで、選べる手の幅が広がったこと、です。私たちの支援は、その「見るべき場所」を一緒に確かめるところから始まります。